広島市「市民と市政」より

ニュータウンと弥生遺跡
 矢野南の歴史と文化の象徴「やのみー」誕生物語
 
 始まりは2年前、「謎の動物形土製品」(写真)との偶然の出会いでした。
矢野南小学校PTAのある役員が、インターネットで文化財団の「ひろしま昔探検ネット」
(上記)を訪れ、安芸矢野ニュータウンの位置に弥生時代の「岡谷(おかのたに)遺跡」
があったことを知ります。そこで、そのホームページに掲載された不思議な形の土製品
に目を奪われました。文化財団に問い合わせると「何であったか謎です。どんな動物な
のか、用途は何なのか。とても珍しいものだと思います」ということでした。
 
 歴史も文化もないと思っていた新しい住宅団地。「1800年前弥生人の一族が、こんな
かわいいものを作りながら暮らしていたのか、と想像してみると、その『地面』にさえ
愛着を感じるようになった」と言います。
  折りしも、矢野南小学校では、開校10周年事業の検討中。「この土製品をモチーフに
マスコットキャラクターをつくろう」ということになり、上のイラストが出来上がりま
した。その後、子どもたちにより「やのみー」という愛称がつけられました。
 
 現在「やのみー」は、子ども見守り活動の名札やPTAの広報物などに活用されています。
まちの歴史と文化の象徴として、かつて同じ土地に暮らした遥かなる大先輩と、現代に
暮らす私たちをつなぐ「やのみー」は、子どもたちをふるさとへの思いに誘う「過去から
の使者」のような気がしてきます。
矢野南小学校